2014年3月10日月曜日

雑念


ヴィパッサナー瞑想というのは、雑念が生まれにくい「体質」を作ることが出来る点が特徴だろう。
今ある雑念を減らすだけの効果にとどまらないということだ。

雑念は、消そうと念じれば消せるものではない。
それは雑念に雑念をぶつけただけの行為だ。
雑念を雑念で消そうとするようなものだ。

感受と同化し「空」や「無」に専心すればある程度の雑念は消せるだろう。
瞑想や座禅全般で得られる効果だ。
ただしこれは、基本的に一過性の部分の話。


ヴィパッサナー瞑想はそれらと少し異なる。
心の構造じたいを改善し、雑念が出にくい体質に変えていく。
これはこの瞑想が「身体感覚」に積極的に関わる体系をもつからで、そもそもこの身体感覚というものが心の構造を固定する接着剤のような役割を担うことに関連していると思っている。


雑念は、身体感覚に注目すると上手く消える。
同時に、その身体感覚と結びついていた心の癖も解消されていく。

ヴィパッサナー瞑想のことを、単に雑念を締め出すものと思っている人もいるようだ。
しかしその特徴的なやり方には、相応の意味があるのである。





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