岡田斗司夫 (文藝春秋 2011)
発想力・論理的思考・表現力などを伸ばすためのノート使いについて書かれている。
「ノウハウ本」の類を手に取ることは少ないけれども(嫌いでないのだが、読むと疲れるので)、これは愛読している。
本書の「思想」が好きである。
社会に出てからは、いろいろな情報に手を出さずに自分がその時々、本当に気になることだけ合点がいくまで学ぶのが最良だと思っている。
「量より質」ならぬ、「量より質と縁」。
私のその感覚にもこの本は合致したように思う。
義務感から離れ、ワクワク感を充足させる。
それによる自己の安定。
そんな「わが道に帰る」感じが良かった。
「ノートの右ページと左ページで内容を分けて」云々…といった技術的なところより、一番は著者の考えを述べた部分がしっくりきた。
(以下引用⇓)
ノートによる思考法は基本的に『農業』です。
「効率よく知的なアウトプットを増やす」という工業的な発想ではありません。そんなやり方では一時的にアウトプットが増えたように見えても、あなたの脳内はやせ細り枯渇してしまいます。
脳を効率よく使うことを考えてはいけない。
脳はもっと、肥沃な大地として実りを願う場です。
(引用おわり)
著者の個性は好みが分かれやすいのかも知れないが、これはとてもまっとうな本だと思う。
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